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須坂新聞調査隊9


最近耳にする「りんご3兄弟」とは?~須坂生まれで産地化図る

 食欲の秋、実りの秋を迎えました。フルーツ王国須高地区ではリンゴの収穫が真っ盛りです。最近「りんご3兄弟」という言葉をよく耳にします。県オリジナル品種の「秋映(あきばえ)」「シナノスイート」「シナノゴールド」のことを指しています。シナノスイートとシナノゴールドは須坂市にある県果樹試験場で生まれました。そうしたこともあり、須高地区では早くから産地化に力を入れ、秋映とシナノゴールドの昨年の販売量は県内トップでした。そんなりんご3兄弟について調べてみました。
 リンゴといえば「ふじ」と言われるほど、多くの人にふじが好まれ、人気があります。そのため、全国のリンゴ収穫量に占めるふじの割合が5割を超える年が少なくありません。須高地区も同様にふじの生産に片寄っていて、JA須高によるとほぼ毎年、リンゴの全販売量の5~6割がふじ、2割前後が「つがる」でこの2品種が大きな割合を占めています。全国的にふじの生産競争が激しく、また、品種が片寄ると台風などの際に大きな被害を受ける危険性もあります。
 そこで、県のリンゴ生産関係者は品種の多様化や独自性による消費拡大を狙い、早生種のつがると晩生種のふじの間に販売する中生種リンゴの振興に力を入れることにしました。さまざまな品種の中から味や色、生産性などの観点から秋映、シナノスイート、シナノゴールドを選び、15年ほど前から「りんご3兄弟」と名付けて普及を図るようになったということです。
 それぞれの特徴についてJA須高販売企画課の小林貞夫さんは次のように説明してくれました。
■秋映(出荷時期9月下旬~) 中野市の農家が「千秋」と「つがる」を交配して育成。ほかの品種より赤みが濃く、甘味と酸味のバランスがいい。
■シナノスイート(出荷時期10月上旬~) 県果樹試験場が「ふじ」と「つがる」を交配して育成。名前のとおり甘味が強く、酸味が少ない。
■シナノゴールド(出荷時期10月中旬~) 県果樹試験場が「ゴールデンデリシャス」と「千秋」を交配して育成。赤ではなく、輝きのある黄色になることから名付けられた。甘味が強く、ほどよい酸味がある。
 須高地区はほかの地域に先駆けて12、13年ほど前からりんご3兄弟の普及に取り組み始めました。1991(平成3)年にはリンゴ全販売量に占める「千秋」「陽光」「ジョナゴールド」などの中生種の割合は合わせて10%でしたが、昨年は3兄弟で20.6%(秋映9.9%、シナノスイート3.8%、シナノゴールド6.9%)と倍増しました。ふじが57.5%、つがるは15%でした。
 消費拡大のため地元の学校や保育所の給食にりんご3兄弟を提供したり、県などでもさまざまな形で全国的にPRしています。2009年には「りんご3兄弟」が商標登録され、歌もできました。
 小林さんは「県内ではかなり浸透し、首都圏などでも認知度が高まってきた。味や見た目、高級感などそれぞれ特徴があり、消費者の反応もいい。ふじに次ぐ主力としてより多くの人に食べてもらえるようにしたい」と話しています。

 

 

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