従来のわい化に比べて小型化や早期多収が図れるという「M9ナガノ」の台木の育成や、それを利用しての栽培の普及などを進める。会長に村農業委員会の西原滝雄会長が就いた。
高山村のリンゴは品質の良さから「信州高山さわやかりんご」のブランドで定着しつつある一方、生産者の高齢化、後継者不足により生産量が減少傾向にあることから、新わい化を進めることに。
M9ナガノの台木に接ぎ木して栽培するわい化方法だと、樹高が約2.5mと小型化できる。植える樹間が狭くて済むので、より多く栽培でき、通常に比べて同じ面積当たり約1.5倍の収穫量が見込めるという。2年目から収穫可能で、樹高が低いので日当りが良く、着色や品質が向上する。加えて、作業の効率化や年配者でも容易になるなどの利点もあるという。
同協議会発足に先立ち4月から、中山地区の明治沖の畑でM9ナガノの育成を始めた。今後は育てた台木の販売や技術指導などを通して新わい化栽培の普及を図る。
西原会長は「リンゴ栽培は村の基幹産業だが、厳しい状況にある。生産量の増加や、農薬問題を防ぐための団地化の促進などにつなげたい」とあいさつした。
元県果樹試験場長の小池洋男さんが新わい化栽培について記念講演し、グローバル化が進む農業、リンゴ産業の現状を説明。わい化栽培やそれに関連した滞在型観光農業により活性化したイタリアの南チロル地方を例に、「世界的には大樹栽培は将来がないと言われている。わい化は早期結実、密植による収量増、作業の効率化、省力化、減農薬、高品質ができる。ふじに偏重した品種構成の是正とわい化が将来を左右する」と話した。