同協会は、日本の民族衣装「きもの」の染・織・紋様・造形など伝統技術を次世代に伝承する目的で、昭和52年に文部大臣の認可を得て設立。毎年、民族衣装文化功労者を表彰しており、今回で35回目になる。
須坂クラシック美術館は、日本画家・岡信孝画伯(横浜市)から寄贈された大正・昭和期の銘仙を中心とする数々の着物や古民芸などを収蔵し、平成7年に開館した。海外における関心も高く、ハワイのホノルル美術館やイギリスのヴィクトリア&アルバート美術館でも展示した。
開館20周年を迎えた同館は本年度、「きものイヤー」と銘打って企画展を開催中。昨秋は東京の泉屋博古館分館で収蔵品特別展「きものモダニズム」を開き、大好評を博した。
須田進館長は「このような賞をいただけたのは、岡画伯はじめ多くの方々のご協力があってこそ。受賞を励みに、また20周年を機に、須坂から着物の魅力を発信し、伝えられるよう、今後も取り組んでいきたい」と話している。
表彰式は先月16日、東京・明治記念館で行われた。きもの文化賞には今回、同館の他、本場結城紬の発展に貢献した奥沢宗吉さん(茨城県)、組紐の研究に携わる道明三保子さん(東京都)が選ばれた。
なお、同館は2月19日から、「きものイヤーコレクション展3~銘仙展―そしてこれからも」をスタート。2期に分け、東京で展示し好評だった銘仙や、現代の復刻銘仙などを紹介する。会期は4月13日まで。同館☎026-246-6474。