活動の第一弾として、このほど、「大鹿歌舞伎春の公演」を鑑賞した。参加者49人は、人口1,000人余の村挙げての催しを堪能した。
大鹿歌舞伎(下伊那郡大鹿村)は、春5月3日と秋10月第3日曜に神社舞台で盛大に定期公演を開いている。
300年ほど前の江戸時代から上演され、昭和52年、県無形民俗文化財に指定された。同61年、財団法人大鹿歌舞伎保存会が発足。平成8年には、国選択無形民俗文化財に指定された。海外公演(オーストリア、ドイツ)や国内公演(国立劇場等)を成功させ、映画やテレビドラマのロケ地に使われている。
山上さんは昨年5月の公演を見て感銘を受けたという。以来、今回を含め3回の公演や単独で延べ6回、同村を訪れ、大鹿歌舞伎の魅力を分析している。
「日本人が忘れかけている本当の幸せを見た思いがした。村が一つにまとまり、伝承される裏には卓越した指導者がいるはず」と見込み、今年2月、指導者の一人に面会した。
山上さんは「人口流出を食い止めるため、村に伝わる歌舞伎を村民と団結して守り、必死に村を守る思いに感動した。助け合いの精神が息づいていて大変有意義だった」。
会はいとこの篠塚久義さん(仁礼町)を会長に、山上さんが副会長となり、会員(大鹿歌舞伎鑑賞者)を募った。山上さんは「会長と二人だけの思いから49人へ広がり、ワンステージ上がった。今後の展望はこれからだが、仲間を増やし、大鹿村との民間交流を深めたい」と話す。
今演目は「仮名手本忠臣蔵 一力茶屋の段」「菅原伝授手習鑑(かがみ) 寺子屋の段」。次回10月も公演鑑賞者を募る計画だ。