3連休の中日となった8日は1,784人が入り、近年の入館者記録を更新した。3連休合計でも前年比43%増の4,429人が入館。にぎわいが戻り、町への経済効果も出てきた。
沖縄の主婦喜久村妙子さん(66)は娘と2人で来館。「きのうは東京の北斎美術館、きょうは小布施。北斎が大好き」と満喫。
東京から訪れた60代の加藤玲子さんは「小布施の北斎波図が大英博物館で好評だったとテレビで紹介していたので見に来た」という。波図は現在、大阪で巡回展示中。「小布施に本物がなくて残念だけど、栗も北斎もここにしかないもの。また来たい」と小布施旅を楽しんでいた。
大英博物館の北斎展は5月25日~8月13日に開いた。世界中から北斎晩年の作品150点を集め、北斎館も13点を出品。その中の一つ、小布施町上町祭り屋台の天井に描いた波図が「北斎波図の集大成」と絶賛された。
展覧会は大英博物館や大阪あべのハルカス美術館などの国際共同プロジェクトで企画。NHKも加わり、あべのハルカスで11月19日まで開いている巡回展に合わせ、北斎特集番組を立て続けに放送。小布施の波図なども取り上げた。
国内では大阪に続き東京の国立西洋美術館できょう21日に「北斎とジャポニスム展」が開幕。北斎館学芸員の池田憲治さんは「北斎は海外で評価の高い浮世絵師。安定した人気があるが、ことしは北斎ブームにあやかる風潮がある」と指摘した。
貸し出し中の波図などは12月初旬に小布施に戻ってくる。町内では「半年ぶりに帰ってくるので里帰り展を」と期待する声もある。
北斎館は「当館の出発点が上町祭り屋台の波図。小布施にしかない肉筆画の価値をもう一度見直し、町民に見てもらうことが大切」としている。
理事長の平松快典さんは「次の東京五輪に向けた日本の文化発信で北斎ブームが続く」とみている。本紙21面に北斎連載企画。