1期生の3年生は本年度、デュアルシステムの仕上げとなる企業実習に臨み、報告会ではものづくりの現場で深めた学びの成果を示した。
同科のデュアルシステムは、学科の生徒全員が参加する先進的な取り組みで、各学年で外部と連携している。企業での研修は2年生から始まり、本年度は2年生37人が8月と10月に就業体験(各3日間か5日間)、3年生37人が5~7月に企業実習(10日間)に励んだ。須高地域の企業などでつくる協力企業会(55社)の44社が受け入れた。
報告会には、同科の1~3年生や協力企業会関係者ら約180人が参加。2年生と3年生の代表の生徒が4人ずつ発表し、後輩からの質問にも答えた。
3年生の報告では、前田鉄工所で溶接技術を習った長南(ちょうなん)圭悟さんが「自信のなかった溶接が今では胸を張って得意だと言えるようになった」と振り返った。
田中勇誠さんは、テクノエクセルでプラスチックの射出成形を学び「自分で考え改良して製品ができたときはとても達成感があった」と述べた。
シミズテクノで外形抜き型の金型製作に励んだ宮澤雅大(まさひろ)さんは「精度の高さを実感することでレベルの高い技術が習得できた」と話した。
廣﨑凜さんは、広田製作所で電子回路設計を学んだ。2年生から就業体験との違いを質問され「より深く学習が進められる」と答えた。
就業体験で初めて企業での研修を積んだ2年生の生徒たちは、「地元の企業や産業に興味・関心を持つことができた」「働くことの楽しさ、やりがい、社会でのマナーを学べた」などと報告した。
協力企業会の久保正直会長はあいさつで、「デュアルシステムは非常にうまく回り始めた。1期生(3年生)の皆さんは地元の期待を背負い、緊張感やプレッシャーがあった中で一つ一つ新しいことに挑戦して育ってくれた」と評価した。
同校によると、就職が内定している3年生15人のうち、協力企業への内定者は8人。このうち2、3年時に研修した企業への内定者は5人という。