須坂新聞



●【須坂市】小中学校の適正規模等を考えるシンポジウム開催

 須坂市の小中学校の適正規模等を考えるシンポジウムが11月27日、旧上高井郡役所で開かれた。

 主催した市小中学校適正規模等審議会がまとめた市民アンケート結果などを踏まえ、少子化により児童生徒数が減少する中で、集団での学びの重要性などを考えた。会場とオンラインを合わせて約45人が参加した。
 審議会長の勝山幸則さん(信濃教育会総務部長)をコーディネーターに、委員4人がシンポジストを務めた。
 垂澤優樹さん(認定こども園須坂双葉幼稚園長)は「幼児期の『学び』は『遊び』。子どもたちが自発的に、主体的に行わなければならない」とし、日々友達と一緒に遊んでいる子どもたちの様子を紹介した。
 「みんなで遊ぶ楽しさを味わうことができるのが集団生活。幼児の生活の基盤(遊び)の中にこそ幼児期の学びが含まれている」。数値で計ることのできない「非認知能力」は遊びの中で育つとし、「まさに人間形成の根っことなる大切な部分」と語った。
 中沢裕子さん(豊丘小校長)は「少子化が進む現在は、意図して異年齢での関わりをつくらないと、その機会を持つことが難しくなってきている」。園児と児童の交流などを例に挙げ「園で育ててきた非認知能力を小中学校9年間で伸ばす取り組みが行われ始めている」と説明した。
 集団での学びについては「児童数が非常に少ない学校で集団の意味を考える日々だ。子どもたち自身がどんな関わりや集団を求めているのか考えていく必要がある」と語った。
 新野健さん(元上高井郡市PTA連合会顧問)は、市教育委員会が示す新たな教育モデル「新しい時代の学びを実現する学校」について、「これが一体何を意味するのかを、保護者や地域の方とも共通的な理解を示さなければ、なかなか機能しにくいのではないか」と発言した。
 教育は長い時間をかけて成果として表れてくるものとし、「『子どもたちのために』ということを通して、全体がその受益者であるという仕組みになっていることを忘れてはいけない」と述べた。
 本多健一さん(前須坂高校長)は「学校は社会の縮図。人間関係や生き方などを学ぶ鍛錬の場で、多様性に満ちていないといけない」と強調。アンケートでは、市民が子どもたちに非認知能力を求めているとし「子どもたちに育みたい能力は集団の中でしかできないということが明確に言える」と指摘した。
 さらに、成長に応じた集団の大きさがあるとし、「段階的に大きな集団に触れていく教育の環境づくりが必要」と述べた。

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