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【本郷大塚古墳】現状変更は適当でない(2010.09.04)

 市文化財審議委員会(関孝一会長、委員5人)は31日、市教委が平成20年9月に諮問した本郷大塚古墳(市指定史跡)の現状変更について、「慎重審議の結果、現状変更は適当でない」と答申した。

 同古墳は「豊富な副葬品が完全な状態で残された、全国的にもまれで、極めて重要な古墳」「松川扇状地は古代高位牧の推定地とされ、被葬者に牧場経営者の特徴がうかがわれる。古墳の立地等からも原位置での保存が重要」とした。
 平成8年に市指定文化財(史跡)に指定された同古墳(本郷町)は、古墳時代後期(7世紀前半~中ごろと推定)に築かれた直径15~16mの円墳(推定)で、内部には長さ8mの横穴式石室が昭和56年の発掘調査で確認され、玄室(ひつぎの部屋)からは副葬品などが大量出土している。
 出土遺物は、圭頭大刀や銀象嵌(ぞうがん)円頭大刀など鉄刀17振り、三輪玉、馬具、土器、装身具、珠文鏡(しゅもんきょう)などで、被葬者は「官牧・私牧の経営に携わった高井郡の特別な中小豪族層」(『本郷大塚古墳発掘調査報告書』)とみられる。
 松川扇状地の扇側部に位置し、本郷町区民でつくる社団法人日滝史蹟保存会(中村嘉夫会長、会員約100人、昭和23年設立)が所有する。
 古墳に接する市道本郷松川線(通称北信濃くだもの街道)の道幅が狭く、交通の障害となっていることから、市長は古墳の一部を拡張道路用地に活用する必要が生じたとして、20年9月に市教育委員長に本郷大塚古墳の発掘調査を依頼した。
 これを受けて市教委は古墳の価値を再確認する必要から、現状変更に係る古墳のあり方を同審議会へ諮問。
 A案(移築)B案(石室を残し墳丘を削る)C案(高い石を倒してから埋める)D案(古墳を中央に両側を道に)を検討。
 20年11月には試掘調査(写真)を行い、1.5m四方、深さ1~1.5mを2カ所人力で掘り、石室の位置が道路側の東側で道路面より1.1m、西側は1.3m高いことを確認した。
 保存会へは経過を報告し、意見交換など行い、県立歴史館の研究者とも懇談した。
 所有者の中村保存会長は31日の取材に「進んで開発を要望していない。現状維持でお願いした」と応え、保存会の目的を強調した。
 答申後、関会長は取材に応じ「保護も拡幅も必要と思い、多方面で検討し、時間がかかった。委員の間では史跡に指定した貴重な文化財の保護を優先したいとする意見が大勢を占めた。市民の間にも賛否があると聞くが、100年、200年先を見据え、市の文化財保護行政の中で検討した。この問題は市民の民度にも影響するが、みんなで大事にしてほしい。石室の大部分が完全にパックされている貴重な古墳で、この地域を経営した人の一つの証拠として価値がある」と述べた。
 今月開く市教委定例会に報告し、今後市長の依頼に回答する。

 

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