現在の心境は―
市議会議員3期を含めると36年間、9回の選挙を皆さんに支えていただき感謝の思いでいっぱい。おかげさまで満足、幸運な議員生活を送らせていただいた。やるべきことはやったという心境だ。
政治家を志したきっかけは―
私は少年時代、実兄の戦死、母の嘆き悲しむ姿に接し、「戦争は絶対にいけない」と強く心に思った。戦前の教育が悲劇をもたらしたことを知り、平和で幸福な時代を創る教育のために尽力したい。それが政治の原点。
県議として教育分野での関わりは―
私の希望で長く文教企業委員会に所属し、子どもに関する3つの条例に関わった。
1つは「長野県の未来を担う子どもの支援に関する条例」。知事は子どもの権利条例を提案したが、議会として権利だけでなく家庭を含めて社会全体で支援する条例を成立させた。2つ目は「子どもを性被害から守るための条例」。罰則を強化して抑止力を高めた。3つ目は「いじめ防止対策推進条例」。学校、地域全体が総力を上げて、いじめや虐待を許さない形にした。
須坂創成高校設立との関わりは―
当時は県の文教企業委員、須坂園芸高同窓会長の立場で深く関わった。園芸・商業両校の関係者らが熱く前向きな議論を積み重ね、産業界の意見も聞きながら、理想的な高校が誕生した。
平成23年、議長に就任。印象に残る事は―
県企業局の管理下にあった水力発電事業を民営化する動きがあったり、最大出力の春近発電所をPFI方式で大規模改修する案が浮上したが、「県企業局は資金と運営能力がある。民間資本の導入は問題がある」として県の直接改修・直営が決まり、結果として自然エネルギー供給に大きく貢献している。
また議長の任務として、平成天皇、皇后両陛下が宿泊された軽井沢で知事と共に懇談、東日本大震災、栄村の被害に心痛されていたご様子が心に残る。
今後について―
現在長野森林組合副組合長の職にある。本年度から、国から県、市町村へ交付される森林環境譲与税を有効活用し、低迷していた林業に光を当て新たな時代を切り開くため努力したい。ともあれ報恩感謝の思いで、私のできる立場で地域の発展のために尽くしたい。
(取材 大硲真一記者)