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西原哲也さんが海外から見て語る~「須坂びとのオーストラリア通信」本紙に通信連載中(2019.10.05)

 「須坂びとのオーストラリア通信」を連載中の西原哲也さん(須坂市出身)は先ごろ、東京出張の際に帰省。須坂新聞社を訪れ、海外から見た日本の印象を語った。

 日本のホテルや小売店のきめ細かなサービスについて「価格に反映させないので、そこまでやらなくていいのにと毎回思う。サービスは日本人が大切にする美徳だが呪縛でもある。国民や消費者が要求度を下げたら、もっと国際競争力がつくのでは」と述べた。
 西原さんは、2011年からオーストラリアとニュージーランドの経済・産業ニュースを配信する報道機関NNAオーストラリアの代表取締役。経営者で取材記者でもある。
 以下、一問一答。
 ―グローバルスタンダードが浸透する海外から見ると、日本は独特の印象を持たれる。
【西原】当然のように丁寧なサービスが行き届いている。役所も会社もタクシーの運転手も、全てが五つ星クラスのホテルのサービスを要求するが、このままだと提供側が疲弊してしまう。海外はもっとラフで大ざっぱだ。
 きめ細かなサービスへの対価を提供側はもらっていないので、サービス料を徴収すべきだとの意見が識者の間でようやく出てきた。
 また、それを評価する外国人が増えていて、日本に外国人が増えていることを肌で感じている。サービスから商品力、アニメなどのソフト分野まで、海外からみると素晴らしいのに国民が疲弊しているように見える。
 ―日本の良さと海外から懸け離れた面を認識しないといけない。
【西原】海外はラフに大ざっぱに商品を提供し、コストを下げている。例えば、機能性に富む日本の文具は素晴らしいのに、品質ではるかに劣る海外ブランドの方が世界展開している。
 日本のイチゴは風味がよくて甘い。リンゴも比べ物にならない。オーストラリアは消費者の要求度が高くなく、すっぱいイチゴでも海外へどんどん輸出している。日本にも輸入され、日本産の品質のいい農産物が駆逐され始めている。
 連載でも書いたが、あまりにも消費者の要求が高すぎる。一つ一つ丁寧に手間をかけてパッケージする。誰が生産した、どの県から来て、農薬処理はどうかまで表記されている。そのコストが高い。海外のスーパーは量り売りで買っていくのでその分のコストはかからない。
 中国に3年、香港に10年生活したが、アジアも海外と一緒。日本ほど商品やサービスに対する要求度が高い国は他にはない。
 ―国民のニュースの受け取り方はどうか。
【西原】海外の全国紙はその国の国家的なニュース、政治、経済がメイン。日本の全国紙は映画、スポーツ、テレビなど娯楽情報が多すぎるようだ。政治、経済の話題が少ない。夕刊はほとんどが芸能か娯楽。生活雑誌のようになっている。全国総無関心層をつくっているようにみえる。
 義務投票制のオーストラリアは、自分の投票が政治を左右することを知っている。日本は投票率が低く、政治的関心が低いのが気になる。
 オーストラリアとニュージーランドは、西洋文化を持つ国々の中では一番親日的だと思う。オーストラリアのテレビには日本のニュースも出るが、日本のテレビにオーストラリアはあまり出ない。日本に対する敬意をポジティブな意味で感じる。(聞き手・監物武記者)
 西原哲也さん 1968年生まれ。森上小、墨坂中、須坂高校、早稲田大学社会科学部卒。時事通信社に入社し、東京本社外国経済部の記者を経て退社。香港に移り、香港大学大学院アジア研究修士課程を修了。現在、共同通信グループNNAオーストラリア代表取締役。著書に『李嘉誠・香港財閥の興亡』『覚醒中国・秘められた日本企業史』などがある。

 

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