2年ぶり3回目の応募で初入賞。まちづくり課は「長年の取り組みが、地道な活動の継続が評価された」と受け止めている。
明日の緑豊かな都市づくり・まちづくりを目指す「緑の都市賞」は、快適で地球にやさしい生活環境の創出を目的に昭和56年に創設された。公益財団法人都市緑化機構と一般財団法人第一生命財団が主催。緑の保全や創出活動に成果を挙げる市民団体や民間事業者、市町村の3部門を顕彰する。今応募は39件。審査は昨年8月の一次(書類選考)と9月の二次(現地審査)を経て計8団体を選んだ。
須坂市の「花と緑のまちづくり事業」は平成7年にスタートして25年目。住民参加により花を育て、花を愛する感性ある人づくりを通じて快適な生活環境の創出に努めてきた。来訪者には「ふるさと須坂」のやさしさや温かさをアピールする。
市内の公共用地(市有地他)80カ所以上に花壇やフラワーロードを整備。市が花苗を援助する40団体がカンナやサルビア、パンジー、マリーゴールドなどを咲かせている。
特にカンナは、原爆投下の焦土広島に昭和20年に咲いた花。次世代に「平和をつなぐ花」として平成12年から長野須坂インター線(仁礼)に植えられ、株分けして須坂から市内外に発信している。
一方、市民が自宅などの庭を公開する「信州須坂オープンガーデン」は平成17年から15年目。年間1万人が来訪する観光資源ともなっている。応募時点で42軒が参加する。
また、区や各種団体などの活動の励みになるよう「花のまちづくりコンクール」(大中小花壇、プランター、学校部門)や「コンテナガーデン・ハンギングバスケット作品展」などを開いている。
道路河川課の「みんなで育てる道路事業」では、市の玄関口須坂駅前跨線橋(市道)にプランターを設置(須坂創成高校に依頼)。河東線記念公園(南横町周辺)では協議会が花壇の整備を続けるなど、市民や高校生、県、市が協働で道路沿いや公園などに整備する緑のまちづくりが定着してきたようだ。
寒冷地須坂のカンナの栽培は、毎年秋に千個ほどの球根を掘り出して冬越しのための貯蔵をする。春に再び出して各団体に配っている。
「カンナは水やりが少なく、草取りなども少なくて済み、比較的管理が容易だが、毎年手をかけて咲かせている様子を審査員が見て評価されたようだ。市の花と緑のまちづくり事業に裏方で携わる市民ボランティアは約1,000人。全員の取り組みが評価され、広く皆さんとともに喜び合いたい」(まちづくり課)。