温泉を引いた足湯に漬かりながら自然の景色を楽しむなど、同牧場の魅力が味わえる施設をイメージ。地元主体の運営を予定している。村では「できるだけ早く運営主体を決め、設計業務を進めていきたい」との考えだ。供用開始時期は今のところ未定。新年度一般会計当初予算に整備費など約1億1,000万円を計上した。村が構想する6カ所の拠点のうち、具体的な事業に着手するのは初めて。
23日、村内の産業関係者らでつくる「村にぎわいの場構想検討委員会」(酒井康臣委員長、14人)の会合で説明した。
村産業振興課によると、足湯施設は地元住民の要望を踏まえて方向性を決めた。足湯(飲食スペース、トイレ、合併浄化槽、排水処理施設含む)、子どもの遊び場(アスレチックなど)、駐車場(10台程度)などを設置する。
場所は山田牧場の中心地で、敷地面積約3,340平方メートル。村土地開発公社を仲介して、所有者の民間企業から購入する予定。
先ごろ、指名型プロポーザル方式(4者参加)で、設計業者にアーキプラン(長野市)を選定した。村は会合で、同社から提案された▽北アルプスの遠景▽牧場の牧歌的風景▽満天の星―の三つのエリアを設けて、「景色」と「体験」が重なり合う施設のコンセプトを示した。
今後、地元関係者らと施設の運営主体や維持管理方法などの調整を図りながら、同社の提案を基に設計業務を進めていく方針だ。
施設本体の維持管理費は村が負担していく方向だが、人件費などは、運営主体に利益を上げて捻出してもらいたい考え。「地元関係者と協議しながら運営方法を検討していきたい」と説明した。
供用開始時期については「できるだけ秋に間に合わせたい」とする一方、山田牧場は上信越高原国立公園内にあり、開発などを行う場合は、自然公園法に基づく許認可が必要になることから、「時間がかかって来春になるか、もしくはもう少し延びてしまうか」との見解を述べた。
施設整備に伴い、委員からは、誘客や訪れる人たちの滞在時間を延ばすための方策について「お風呂に入れれば売りになる」「ここでしか食べられない物が欲しい」「動物(犬など)の足が洗えたり、一緒に食事ができるスペースがあったらいい」「利益が出せるように販売スペース(カフェなど)を広く取ってほしい」といった意見があった。
◆高山村にぎわいの場構想 村の産業、自然、歴史、文化などの資源を活用し、集客向上につながる拠点(にぎわいの場)を複数整備。観光客らにより長く村内に滞在してもらえる仕組みを作ることが狙い。拠点は(1)村入り口付近(2)YOU游ランド(3)中山田地区(4)奥山田地区(蕨温泉付近)(5)山田温泉(6)山田牧場―の6カ所を想定。民間活力や既存施設を生かし、中長期的な視野の中で実現可能な取り組みから具体化していく。内山信行村長の公約の一つ。