当日は職員6人が2人ずつ3組のペアを組み、計102軒を回った。このうち田中康栄(やすひで)さん(75)は「昨年は床上20cmの被害を受けた。2、3日は家族で片付けたが、なかなか進まず心身共に疲れていた。そんな時大勢のボランティアに来ていただき本当に助かった。中でも須坂高陸上部の生徒10人ほどがテキパキと働いてくれ、元気づけられた」と感謝。
社協職員の山岸敦子さんが「当時私も手伝ったが、大変な状況でしたね。今何か困ったことはありますか」と問いかけると、田中さんは「今は落ち着いた。ただ梅雨時などは周辺に悪臭が漂う。空き地の泥を取り除くか消毒してほしい。晴れた日、別の地区から北相之島を見るとほこりでかすんだように見える」と答えていた。
災害当時、千曲川堤防を越水して地区全体が冠水、全壊1軒、半壊172軒の被害を受けた。災害前400世帯ほどあった住宅が次々と他所へ転居、現在は336世帯。高齢化率(65歳以上の割合)は4月時点で37.4%と市平均より高い。
市社協は31日までに全世帯を訪問、マスクや相談先を紹介する資料などを届けた。他の世帯では「周りの家が解体されたり、引っ越して寂しい」「雨が降ると心配で堤防を見に行ってしまう」などの不安の声があった。山岸さんは「皆さんからの声や生活実態を見つめ直し、より適切で効果的な支援につなげたい」と話している。