その結果、新規就農者の岩田泰聖(たいせい)さん(47、須坂市塩川町)が初出品で県知事賞に輝いた。須高関係者が上位9賞中6人を占め、県有数のブドウ産地ならではの活躍を示した。
コンクールは県、うまいくだもの推進部会が主催。57点が出品され、糖度、着色、房形、粒の大きさなどを基準に審査。消費者ニーズの多様化で、種なしで大粒、皮ごと食べられる品種を好む傾向があり、ナガノパープル、シャインマスカットなどが人気を集めている。
県知事賞を受賞した岩田さんは3年前、果樹農業を志して、妻智代さん(41)と共に神奈川県から須坂市に移住。2年間、ブドウ農家太田安雄さん(小島町)の下で学び、今年4月、ともよファームを立ち上げた。
受賞に「長年会社勤めしてきたが、ものづくりをしたかった。先輩方から多くのことを学び、昨年畑を譲ってもらった。今年は天候不順で苦労したが、妻と創意工夫して育てた。どこまで通用するか力試しで出品した。まさかの賞に、ただただ驚いた」と喜ぶ。
新天地を須坂に選んだのは「山登りなどで夫婦でよく訪れた長野県は憧れの地。農業は自然相手でリスクもあるが、それだけにやりがいがある。1年目で結果が出て良くも悪くも注目されると思う。さらに学び、いいブドウを作り、お世話になった方に恩返しをし、消費者に喜んでいただきたい。須坂は美しい風景で暮らしやすくて大好き」と話した。
なお、最高賞の農林水産大臣賞は長野市若穂川田の伊藤秀樹さんが受賞。須高地区の入賞者は次のとおり。
▽県知事賞 岩田泰聖▽県園芸作物生産振興協議会長賞 丸山尚文=須坂市野辺町▽県園芸特産振興展推進協議会長賞 藤沢公次=須坂市新田町▽全国農業協同組合連合会県本部長賞 竹前陽平=須坂市村石町▽県果樹研究会長賞 東田直行=小布施町福原 上野好太郎=須坂市小島町