
須高地区各校のPTAコーラスや有志の記念合唱団らが美しいハーモニーを奏でた。総勢約650人が集い、歌声を重ねる喜びを分かち合った。
音楽祭は、各校で行っている音楽活動を一堂に会して発表することで、市内外のPTAの連帯を深め、豊かな市民文化の振興と地域づくりに役立てることが狙い。本来は2019年に節目の30回を迎える予定だったが、昨年まで中止が続いていた。
記念のステージには約30~60人規模でつくる各校のPTAコーラスと、同コーラス経験者ら有志約80人で結成した記念合唱団の計18組が出演した。合唱曲をはじめ校歌やポップスなどを歌い、練習の成果を披露。聴衆の心に響く思いのこもった歌声を届けた。
小林雅彦教育長は講評で「合唱の神髄は何と言っても音と音が重なってできるハーモニー。人間の声が重なる美しさはものすごく良いもの」と語った。
フィナーレは全員で『遠い世界に』を合唱。常盤、墨坂両中学校の合唱部や常盤中OB・OGなども加わり、ホールを圧巻の歌声で包み込んだ。
記念合唱団に参加した女性3人は「コロナで集まって歌えなかったときは切なかった。こんなふうにみんなで歌えてとても気持ち良かった。懐かしい人たちとも会えた」と満足げに語った。
中村浩之実行委員長(市PTA連合会長)は、音楽祭の中止が続いた中で「開催当時を知る人がいなくて、運営面が課題だったが、(実行委員が)それぞれの持ち場で役割を果たし、5年ぶりとは思えないほど素晴らしい音楽祭になった。親がみんなで一つの目標に向かって取り組む姿を子どもたちに見せられる良い機会」と話していた。
また、会場では参加者らに過去のプログラム表紙の一部を掲載した印刷物を配ったり、ホワイエに懐かしいアルバム写真を設置したりして音楽祭の歴史を振り返った。