
市は、現在の指定管理期間終了後の2027年4月以降の完全民営化に向け、民間事業者へ土地・建物を無償譲渡する方針を説明。参加者からは、譲渡後も温泉施設としての継続を望む声などが上がった。11人が参加した。
湯っ蔵んどは1997年、県内最大級の温泉施設として誕生。健康、福祉、交流、観光、防災など多面的な機能を有する重要な拠点だが、開業から27年が経過し、施設の老朽化に伴う大規模改修や維持管理に多額の費用がかかることなどが課題となっている。
市は、サウンディング型市場調査や市民アンケート、財政状況などを踏まえ、今後の方針を決めた。譲渡条件には▽健康、福祉、観光振興、レクリエーション用途としての土地・建物の活用(地域交流拠点の形成)▽温泉事業の実施(最低5年間継続)▽災害時における避難場所などとしての活用(災害時応援協定の締結)―の三つを挙げている。
三木正夫市長は「市が今後も施設を持ち続け、財政的に援助しながら維持していくことは困難」と説明。変化する利用者ニーズに対し、柔軟で速やかに対応できる施設にするためにも「民間事業者による活用の方が良いと判断した」と述べた。
温泉施設としての継続を願う参加者の一人は「譲渡条件はなぜ最低5年間の継続なのか。絶対条件にはできないのか」と質問。
市は「他自治体の事例を参考にした」とした上で、6~7月に予定する「(民間事業者から参入意欲の確認や譲渡条件に対し客観的な意見を求める)サウンディング調査の中でしっかり条件を検討したい。市としても5年間にこだわらず、長くやってもらいたいという希望はある」とした。
他にも「温泉の規模は縮小してもいいのでは」「悪質な業者が出てくる可能性もある。譲渡条件は厳しくして」「福祉浴室は重要」「湯っ蔵んどの名前は残してほしい」といった意見があった。
三木市長は、年間20万人以上が利用している施設の価値を示し、「ここを存続させるための手段をどうするか。いろいろな知恵を絞っていく必要がある」と述べた。
市民説明会は5月8日午後6時半から、メセナホール(小ホール)でも開く。