
登録を目指し活動してきた村内外有志でつくる「山田牧場を愛する会」(会員36人)は、今後も牧場が持つ資産を改めて認識し、村民や全国の人々に広めていきたいとしている。
同会は「草原の里100選」への取り組み母体として昨年10月に結成。今年1月に応募した。現在までチラシによる広報活動や学習会、トレッキングイベントなど牧場の魅力を再発見する活動を行ってきた。
草原の里100選は、全国草原の里市町村連絡協議会(現事務局・大分県九重町)が主催。環境省、農林水産省が後援する。草原の持つ自然的、人的、文化的価値を「共創資産」として、未来に残していくための自主的な全国組織だ。今回新たに4カ所が選ばれ、現在までに57カ所が登録。県内では5カ所目で、2023年に菅平高原・峰の原高原が選ばれている。
山田牧場を愛する会は11日、村内のスパ・ワインセンターで記者会見を開いた。宮川和浩代表は「放牧事業123年、スキー場67年の歴史の中で先人たちがつないできた自然、動植物、観光、文化を未来に残したい」とし、次代を担う若い世代や関係する組織、個人とともに未来につながる活動を進めていくとした。
顧問を務める筑波大山岳科学センター准教授の津田吉晃さんは「生物多様性を守ることは地域社会・経済を守ることに関係している。牧場周辺には希少植物が多くある」と話した。
山田牧場は放牧草地や冬季スキー場として、畜産、観光に大きな役割を果たしてきた。ワラビやネマガリダケ、キノコなどが採れるほか、グンバイヅルや牧場でしか見られない地域固有系統のウスバサイシンなどが生育している。
今後は会員50人を目指す。本年度は11月に山田牧場の魅力をさまざまな人が語るシンポジウムを計画している。