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1900(明治33)年、日本ではじめての自動公衆電話が東京の新橋と上野駅前、熊本市内に設置されました。しかし当時は「自動電話」と呼ばれていて、交換手を呼びだしてからお金を入れて相手につないでもらうものでした。1925(大正14)年、ダイヤル式で交換手を必要としない電話が登場してから「公衆電話」と呼ばれるようになりました。
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「博物館浴」で健康に(2025.09.06)

 博物館での鑑賞が心身に癒やしやリフレッシュ効果をもたらす—。

 「博物館浴」の研究を進める九州産業大学の緒方泉特任教授(67)が小布施町のおぶせミュージアム・中島千波館で8月26日、大学生や町民を対象に実証実験を行った。鑑賞後、参加者の怒り、混乱、抑うつ、疲労、緊張の「ネガティブ」な項目の数値が全て下がった。緒方教授は博物館の持つ癒やし効果を健康増進や疾病予防につなげたいとしている。
 緒方教授は2020年9月から調査を開始、全国90館で、延べ1300人のデータを収集。実験では作品を見た後に交感神経と副交感神経のバランスが良くなり、疲労感や緊張感が減少するなどの影響が確認されているという。
 この日、午後は町保健福祉委員など28人が参加。鑑賞前には三つの文章を口に出して読み、声のゆらぎを測定した。その後35項目の心理テストに回答。鑑賞後も同じ内容で取り組み、数値の変化を測定した。
 中島千波さんの日本画と春山文典さんの金属造形を鑑賞する二つのグループに分かれ、最初の3分間は静かに鑑賞。残りの12分間はおしゃべりをしながら作品を味わった。
 金属造形を見たグループでは「光によって見え方が違う」などと会話を楽しみながら、さまざまな角度から作品に見入った。
 同館での実験は昨年に続き2年目。世代や団体の構成員を変えて実験を行っている。
 緒方教授は「不登校やひきこもりなどの社会課題の予防としても博物館を利用してほしい。健康ステーションとして豊かさを与える場所になることを目指している」と述べた。
 絵画を見た町保健福祉委員の久保初子さん(59)は「(作品を見た後は)リラックスした。昔、娘を連れて来たことを思い出した」と話していた。町教育委員会生涯学習課の荒井陽子さんは「町内の博物館を地元の人にもっと利用してもらいたいという思いがある。健康にもいい場所として広めていきたい」と話した。

 

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