同小3~6年生と教員・地域の有志、団体が主催して須坂中央駐車場広場でこのほど開いた「須坂未来探究フェス」で初披露、会場に集まった多くの保護者や市民から盛んな拍手を浴びた。
制作のきっかけは、今年4月の総合的な学習時間の中で、児童たちから「自分たちで須坂をもっと元気にしたい」「須坂の魅力や課題を伝えたい」との意見が出された。その中で「自分たちの歌を作って発信しよう」と歌作りが始まった。
作詞は、智組全員が▽食べ物▽自然▽施設・スポット▽ピンチ▽歴史―の5チームに分かれて調べ、出てきた言葉やフレーズを出し合い、話し合いながらまとめた。歌詞は、蔵の町並み・須坂動物園・リンゴ・ブドウなどの須坂の魅力と共に、少子化や過疎化などの課題に触れている。
その中で▽未来を照らす ぼくらの思い▽一緒に描こう 笑顔のストーリー▽きっとできるさ 最高の街▽仲間となら 進める未来へ 須坂を守ろう 希望を灯せ―など、前向きなメッセージが込めている。曲は、須坂出身バンド「アルバトロス」のアドバイスを受けながら、児童と担任の原勇介教諭(38)がメロディーや構成を練った。
ソングは10月に完成。児童が中心となって、歌い方を話し合いながら、練習を重ねて、本番に臨んだ。
初披露した須坂中央駐車場広場では多くの参加者が一緒に歌ったり手拍子していた。歌った竹内さん、北村さん、豊田颯太さんは「全力で歌った。雨で寒い中でも皆さんがノリノリで盛り上げてくれて会場が温かく感じた。緊張以上に楽しかった。須坂をもっと盛り上げたいという気持ちが強くなった。これからも力を合わせて須坂を世界一にしたい」と喜んでいた。
なお、イベントは6年生がSDGsをテーマにした謎解き。5年生は独自に考案したニュースポーツ体験会をbota(須坂駅前シルキービル1階)で開いた。3年生はインフルエンザのため学級閉鎖となり参加を見送った。
botaで案内役を務めた6年の月岡陵太さん、黒岩結仁さんは「多くの人が謎解きに参加してくれてうれしい」と話した。中野市から来た高橋一央さん(34)、紗也加さん(33)は「昨年面白かったので、今年も楽しみに来た。謎解きしながら地域を見て学べる」と喜んでいた。
イベント代表でもある原教諭は「子どもたちが地域への思いを歌として皆さんに届けることができた。アンコールをいただく中で、『自分たちの歌でまちを元気にできるかもしれない』という実感を子どもたちがつかんでいく姿が印象的だった。また、3~6年生の学びが地域の人たちの笑顔や拍手と結びついたことは大きな成功体験になったと思う。これからも児童と一緒に、須坂の未来を考え、行動し続けていきたい」と決意していた。